最高裁判所第一小法廷 昭和46(あ)1083 決定
主 文
本件上告を棄却する。
当審における未決勾留日数中二〇日を本刑に算入する。
理 由
弁護人宮島崇行の上告趣意中、違憲(憲法三一条、三七条二項違反)をいう点は、
いずれもその実質は単なる法令違反の主張にすぎず、判例違反をいう点は、原判決
は、所論各供述調書が被告人の任意の供述を録取したものであることを判示した趣
旨で、任意性の立証責任について判示したものではないと解せられるので、所論判
例違反の主張はその前提を欠き、その余は、単なる法令違反の主張にすぎず、被告
人本人の上告趣意は、事実誤認の主張であつて、いずれも刑訴法四〇五条の上告理
由にあたらない。なお、原審が、被告人本人の控訴趣意中、所論の点につき判断を
示さなかつた点は違法であるけれども、本件記録に徴すれば、所論弁護士高木健助
は、被告人の国選弁護人として昭和四五年八月一七日の本件第一審第一回公判期日
において、所論Aに対する強姦および恐喝未遂の公訴事実については、被告人と共
にこれを否認する旨の陳述をなし、ま検察官申請の右各事実に関するA、Bの各捜
査官に対する供述調書の取調についてはそれぞれ不同意の意見を述べたため、検察
官は、不同意とされた書証に代えて、証人A、同Bの取調を申請し、これら証人尋
問の際には、右高木弁護士は国選弁護人を解任され、新たに選任された弁護士松岡
良俊が被告人の国選弁護人として、その尋問に当つていることが明らかであつて、
第一審の公判手続は何ら被告人の権利を害することはないから、右の違法は、原判
決を破棄しなければ著しく正義に反するものとは認められない。
よつて、刑訴法四一四条、三八六条一項三号、一八一条一項但書、刑法二一条に
より、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり決定する。
昭和四六年九月二三日
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最高裁判所第一小法廷
裁判長裁判官 岩 田 誠
裁判官 大 隅 健 一 郎
裁判官 藤 林 益 三
裁判官 下 田 武 三
裁判官 岸 盛 一
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